特別展「古代アンデス文明展」
「彼らの大部分は
死者たちミイラに仕えていて、
毎日それを広場にかつぎだし、
それぞれを古さに従って、きちんと並べ
そこで男女の使用人たちが飲み食いした」。
スペインから訪れたピサロはその驚きを
綴っています。
ミイラとして生きながらえることで、死は訪れず、
時に人は動物へと変するのは、
人や生のあり方を
捉える視点そのものが違っていたから
でしょうか。
「つまり異形的なものは神様といっても
過言ではなかったのである」 (山本紀夫)
金を食べる人、と
考えられていた西洋人たちが
アンデスの人々を征服すると、
その時描かれた最後の晩餐には
それら人々の食事が卓上に挙げられます。
ペルーの地上絵、マチュピチュが今に残るように、
装飾品を共にしながら、
名の知られない少女もまたミイラとなって
そこに生きながらえ続けていました。