ヌード NUDE ―英国テート・コレクションより
「肉体こそは油彩画が考案された理由である」
との、デ・クーニングの言葉がカタログにありました。
身体そのものを様々に「捉えよう」とする
試みの歴史は、
改めて絵画が単なる図像にとどまらないものであることを
19世紀アカデミー絵画からすら感じさせられます。
WターナーやFベーコンのスケッチのような未完の形態で
は痕跡とも可能性ともつかない面を見せ、
また次第に溶解し分解していく現代絵画の
中にあっても、
とりわけマルレーネ・デュマスの
衣服の下にある身体とそのさらに「内部」の
像は、
その洗練された面そのものと共に、
画家としての卓越した思考をも見せてくれるものでした。