明治期製作の映画・「明治の日本」「 紅葉狩」「明治二十八年の両國大相撲」その他。

 

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 ・・・リュミエール兄弟映画の「不純さ」が

 何より顕れていたように見えます

 「明治の日本」。

 

  それがパレードや風景でない限りは、

  いかに演出の企みの中にあるのか、

 

 それは満洲映画協会による

 出征から旅順陥落、祝賀会、

 そして英霊の弔いに至るストーリーとして

 国家の形を作る日露戦争を「描く」

 「第一篇 日露戰役 追懷ノ巻」にも、

 

 またエジソン社よりの帰朝そのままに

 周囲の黒い影と対照的に

 幕の前に明るく照らされた中で

 演じられる「明治二十八年の両國大相撲」にも

 表されていました。

 

 とは言え、

 

 その中に小錦や大砲の奮闘、

 横浜伊勢佐木町の幕が映る、大震災前の横浜の街並み、

 海岸に過ぎなかった品川、二百三高地

  

 子供達による驚異の玉乗り芸、

 「紅葉狩」の市川團十郎より素晴らしかった明治娘の舞、

 

 そうした物事がなおそこに

 映し出されていました。

 

 その他、デジタル復元が女性たちの白装束を印象的に

 また鮮明に見せてくれる

 「小林富次郎葬儀」、

 

 対する断片をつないだ不鮮明な

「明治四十五年四月四日 藤田男爵 葬式の實况」へと

 明治の移り変わりを見届けられます。