『名作誕生-つながる日本美術』
「影響」というのは美術批評における呪いの言葉だ。
との
バクサンダールの言葉が図録に引用されていましたが、
独自にそのモデルから発展しながら、
「結局、狩野の枠を超えることはできない」
また
「宗元画の様々なテクニックにはとても及ぶものではない」
と述べたと言う若冲は、
「みずから物を見て画筆を振るう方が勝っている。」
その悟りに達すると共に
中国絵画の源は何か、
その様に遡り得る歴史もまた不透明ながら、
伊勢物語から派生した数々の工芸と絵画は
その図と地が互いに連関し合い、
江戸時代の屏風図では、
絵画空間そのものの
多様が重なり合うその様は、
理論の中で閉塞する現代美術の「自由」に
も勝るもの
とも思えます。