「珈琲屋」 大坊 勝次 森光 宗男 著
「最初に点滴で湯を落とす瞬間は、下手でも一生懸命に
ランダムに湯を落としたコーヒーの方が美味しくできる。」
大坊珈琲と珈琲美美の店主が
コーヒー、とりわけその美味なるものについて
その本で語り尽くしています。
「でも蒸らしの後は違います。
自然界に働く熱と重力に任せて、
湯は一点に集中させて落とした方が理にかなっています」
「コーヒー自身が作った粉の層の中でなるべく
自然の力で落としていく方が素直な味に
なるのです」
その味わいは絵画や色彩論、音楽にまで
例えられていきます。
「私の場合は、カウンターに対して少し斜めに立ちます。
前後に足を軽く開いて、
右足を前に出す。
前後に足を開くことで、重心を前にも後ろにも
変えられるわけです。
かつまっすぐ伸びて、すーっと立つことによって、
ポットのお湯をまっすぐすーっと落とすことができる」
先ごろ閉店された「大坊珈琲」の
大坊勝次氏とともに、全身で珈琲を入れられながら、
亡くなられた「珈琲美美」の森光宗男氏の追悼をも
合わせた本です。
https://www.amazon.co.jp/珈琲屋-大坊-勝次/dp/410351891X