「デッサンは、語られているものを 詩的なアプローチによって、 さらに一歩進めることができますし、 特に関心のある要素を強調することが可能です。 表される線がデザイナーの選択の結果であるように、 アニメーションにあっては、観客の目を惹く動きは ア…

クライマックス、 コンサートの映る画面、その演奏を前にしての オーケストラによるライブの音が会場に響きます。 今やおそらく存在しない東西日本の様々な風景、 その一つ、出雲にも反映する その空間の多様にまつろう戦後の時間軸が 色濃く混ざり合い、 そ…

「ここはお年寄りが多すぎるわね。 みんな殺さないといけないわね」 二人の老婦人がそんな会話をしながら公園を 散歩します。 「当初は家族の肖像画を作ることを意図していました。 私は互いに異なりつつも深く関わりあう人間を描きたかったのです。 私はそ…

「私はいつも人々が私にこうしろ、と言ってくるのとは反対 のことをするのが好きなのです。 「例えばこうです、皆が女優さんはアクション映画に勧んで 出たりしないと言うのですが、 でも誰もそれを試してはいないのです。 ですから、私は自分のためにそれを…

「この２ヶ月頑張ってみたけど、 ここで監督を降板したほうがいいと思った」 ブルーレイで見ました 昨年公開の「ジャスティス・リーグ」、 その製作中、 娘さんの自殺によって降板したと言われます 監督ザック・スナイダーの「痕跡」は、 公開版の前半部分に…

国立映画アーカイヴで上映されました、 1934年と1937年にそれぞれ作られた 二つの「金色夜叉」、 その一つ目、赤澤プロ作品は 日本の風物、お宮が打つ羽子板 から始まっていました。 突然表される、 貫一とお宮の静止像と見えたものが カメラを前にした二人…

小津安二郎の墓参に 円覚寺を訪れた後、 鏑木清方記念美術館にも 立ち寄りました。 「私が金沢を去ってから十年余経つが、 戦争は愈々 あの土地の風光を 台無しにして了ったらしい」 鏑木清方が戦後そのように振り返る 金沢八景、 その大正時代には家族でな…

「神山が金魚を見ている。 金魚屋のオヤジが顔を出す」 そのように始まる 鈴木清順が「遺作」として自ら書いた「蜜のあはれ」 のシナリオが巻末に掲載されています。 「キャスティングなんかも口にして、それだけ構想も膨らんで やる気になっていたのに、や…

「私は幼い頃からこのジャンルに引き込まれていて、 ホラーが大好きだったんです、 それはタブーでもあったかもしれませんが・・ 子供の時には禁じられていたフレディ・クルーガーの作品や そうしたホラー映画を見ることをいつも待ち望んでいたのです」 「そ…

「最初は短編として構想していたのですが、昨年私の 他の短編がネットで拡散されていました。 そこでプロデューサーが何か始める気はないのか と言うので、長編用に膨らませるために1日 私に与えてくれたのです」。 「その時に考えたあらすじは、 あまりにタ…

「常にホームレス寸前の生活を送っていた ハリー・スミスは8年間、 ブロードウェイとウエスト29番街の福利厚生施設、 ブレスリンの小さな部屋を占拠していました。 住宅が強制的に売却されて ラグジュアリーホテルに移った頃、 ロバート・フランクは、スミス…

「スタンリーはあらゆる文房具を 愛していましたよ。 だからこれを見たら とても喜ぶでしょうけれど、 自分に媚びてるのかとも思うでしょう。」 キューブリック映画のプロデューサー、 ヤン・ハーランが 今年のカンヌ映画祭で発表された 英国・マン島郵便局…

「私の当初の意図は、 血の絆を超えた家族というもの について考えてみることでした」 「それは映画そのものにあるものと言うよりは、 スクリーンを通して見えてくる ものを観客が自身に問いかけることによって 生まれて来るものなのです。」 「三度目の殺人…

あいうえお順で、 忘れたものもいくつもあるはずですが、 思い出せる内での、ふらんすの映画、 過去１０作です 1「赤い風船」アルベール・ラモリス 1956年 www.youtube.com 2「さらば、愛の言葉よ」ジャン・リュック・ゴダール 2014年 www.youtube.com 3「シ…

病に伏した時、 とポール・トーマス・アンダーソンがある日のことを 回想しています、 「私は三日間ベッドで寝続けていたのですが、 その時に見た「レベッカ」、「アデルの恋の物語」、 そしてコクトーの「美女と野獣」が私を癒してくれました。 その時私は…

マルシャル・ソラル、ミシェル・ルグラン、ジョルジュ・ドルリュー。 ゴダール60年代を支えた音楽家です。 最近発売の二枚のLP。 一つは「軽蔑」と「気狂いピエロ」、 アンナ・カリーナの声がオリジナルで響きます。 もう一枚は、「女と男のいる歩道」その他…

「結局、動画にとって一番大事なことは、 企画と創作性だと思うのです。 映画は技術よりもむしろその創造性にあると 思うのです」蕗谷虹児 あいうえお順、 思いつく限りの 印象に残る10の 日本のアニメーション です 1 「風立ちぬ」宮崎駿 2013年 www.youtub…

あいうえお順、 これまで思い出せる 今のところ 印象深い 日本映画10本です 1「有りがたうさん」清水宏 1936 www.youtube.com 2「あんみつ姫 甘辛城の巻」仲木繁夫 1954 eiga.com 3「俺たちの血が許さない」鈴木清順 1964 www.youtube.com 4「金語楼の天晴れ…

「私たちの犬はゴミ捨て場に住んでいます。 それはかわいらしさを減じるのに役立ちます。 彼らは多くの怒りと悪を備えているのですが、 たくさんの苦痛もまた備えています。」 「普通にあるべき魅力とバランスに対して、それらの犬たちは 幾らか闇に偏ってい…

「物語はすべて構成されたものではありますが、 北部ヴォルガ地方とウラルに住む ヴォルガリ・マリの人々に見られる、 本物の信仰や伝統、神話に基づいています。 私たちは現在、今も残る儀礼と儀式、 また昨日にも存在していた儀式、 そしてずっと忘れられ…

「新感染・ファイナル・エクスプレス」に 続くヨン・サンホの作品、 Netflixで製作された、 「サイコキネシス・念力」は、 前作に引き続き父娘の関係が主軸に なっていました。 「私の理解では、この映画には 監督の近代化と都市開発についての 鋭い視点が含…

映画「港の日本娘」は 清水宏監督の1933年作品、 横浜を舞台にして、 モノクロで撮影・公開された作品です。 その、いくつかの画像に 最近のカラー化技術を施してみました。 1932-3年頃の、山手、横浜港、神戸港、 その辺りが よりはっきりと見えてくる気が…

「喜びも悲しみも 神々の遊びである」鈴木清順 との、直筆サインが、 扉を開けると 先ごろ購入したその本に記されていました。 平成6年、9.25と日付が ありましたから、 最後の作品「オペレッタ狸御殿」 公開後です。 内山順治さん、 と云う方に 献呈されて…

昨年公開されました「ヒッチコック／トリュフォー」、 に続く今年の二つのヒッチコックにまつわるドキュメンタリー、 「サイコ」のシャワー・シーンを中心に 作品を縦横に分析した、 Netflixの「78/52」、 「ファミリー・プロット」の後に 企画していた作品…

「自分より才能は上、まったくかなわない」 と小澤征爾が語っていました 作曲家・山本直純と、 鈴木清順による 「殺しの烙印」。 先ごろ、7インチ盤が発売されたばかりでしたが、 アウトテイクなどを含めてのLong Play盤、 その旋律は当時のノワールを緩急豊…

・・・リュミエール兄弟映画の「不純さ」が 何より顕れていたように見えます 「明治の日本」。 それがパレードや風景でない限りは、 いかに演出の企みの中にあるのか、 それは満洲映画協会による 出征から旅順陥落、祝賀会、 そして英霊の弔いに至るストーリ…

「この作品は「ジョーズ」と 「プライベート・ライアン」に次いで、 最も作るのが難しい作品でした」 「私には、観客自身がこの作品を監督しているような 気がしていました。 それは観客自身の望みや必要なものをどうやって獲得するのかを 私と一緒に考える…

国立映画アーカイヴで上映された 二本の作品。 少年たちが川辺でおもちゃの軍艦を 浮かべて遊ぶ中、 軍人の夫を失った母親が 工場で働きながら子供達の軍人となる姿を 願い、 大きな蝶々リボンをした娘が橋を歩き、 少年が軍学校にやがて進学する、その様を …

フィルムらしく、劣化した像の中に垣間見える、 「彼岸花」撮影中の佐田啓二、有島稲子、笠智衆、小津、諸氏。 カメラから思いの外隔てられた室内セットは、 俳優たちが枠の向こうに明るく照らされつつ 暮らしているようにも 映ります。 「山本富士子さんを…

「私たちの時代と、これ以上に深い関係性を持つ物語は ないように思えたのです。 ですから私は、「歴史はどうして繰り返される んだ?」と私自身に問いかけたのです。」 スピルバーグによる、世界を惑わす失われたアークのような 機密文書をめぐるワシントン…