そんなことはもう忘れたよ 鈴木清順閑話集 八幡 薫, 本多 晃子

「神山が金魚を見ている。 金魚屋のオヤジが顔を出す」 そのように始まる 鈴木清順が「遺作」として自ら書いた「蜜のあはれ」 のシナリオが巻末に掲載されています。 「キャスティングなんかも口にして、それだけ構想も膨らんで やる気になっていたのに、や…

「珈琲屋」   大坊 勝次 森光 宗男 著

「最初に点滴で湯を落とす瞬間は、下手でも一生懸命に ランダムに湯を落としたコーヒーの方が美味しくできる。」 大坊珈琲と珈琲美美の店主が コーヒー、とりわけその美味なるものについて その本で語り尽くしています。 「でも蒸らしの後は違います。 自然…

「Огонёк Natasha」網代幸介

「この小さな本はナターシャという1人の女性が残したものである」 リトルプレスを主宰していた サムという人物の残された日記の中に 登場するナターリアと呼ばれていたかもしれない女性が 自ら描いたというその一生の絵の記録。 「しかし確証は何もない」姿…

鈴木清順全映画 | 上野 昂志

「喜びも悲しみも 神々の遊びである」鈴木清順 との、直筆サインが、 扉を開けると 先ごろ購入したその本に記されていました。 平成6年、9.25と日付が ありましたから、 最後の作品「オペレッタ狸御殿」 公開後です。 内山順治さん、 と云う方に 献呈されて…

小村雪岱随筆集

「正直な話、私は別に苦心して描いたものもなければ、 また今までに格別に苦心した経験もないのである。 そんなわけで、一事が万事、 自分は甚だつまらない人間だと常に考へている。」 新編雑感で小村雪岱はそう述べています。 「鏡花先生」との出会い、 舞…