音楽

『砂の器』シネマ・コンサート2018

クライマックス、 コンサートの映る画面、その演奏を前にしての オーケストラによるライブの音が会場に響きます。 今やおそらく存在しない東西日本の様々な風景、 その一つ、出雲にも反映する その空間の多様にまつろう戦後の時間軸が 色濃く混ざり合い、 そ…

「ミコ・フォークを唄う」 弘田三枝子/渡辺明とリズム・アンド・ブルーセス JSS-53

「オールラウンドの歌い手として 私たちが期待するミコがフォークに とりくんだこのレコードは 彼女の歌の歴史の中に永久に残るものであろう」 そのようにライナーノートにも書かれ、 そうして歌われた四曲のフォーク、 EP盤におさめられたこのアルバムは、 …

山崎ハコ 「飛・び・ま・す 」 ELEC-7 LP

「全く普通の女の子には 全く普通の影が守ってる たかが15年などと笑わないどくれ」 兄のギターやレコードを元に、 18歳の時、上京した横浜でデビュー、 その時に公に語られなかった「声」は このアルバムの歌の中に込められているように 響きます。 詳しい…

STEVE REICH / DRUMMING (2LP)

「私が「ドラミング」を作曲した時、 私にとって非常に大きな変化がありました。 より多くのミュージシャンが必要となったからです」 ライヒが ガーナ、バリ音楽を学んだ後に構築されたこの音楽は 1971年、MOMAで初演されたとのことです。 今知られるものと…

諏訪根自子 コロムビア録音全集 2LP

「第一この子をヴァイオリニストにしようと 決心したのは大分後からのことで、 生れた当時はそんなことは夢にも思っておりませんでした」 「根自」と云うのは 万物は皆これ根より生ずるものであり、 自分の根で自ら生きよと云う意味で諏訪が付けた名前です。…

NIPPON GIRLS 2 :JAPANESE POP-BEAT & ROCK' N' ROLL 1965-1970 LP

「安井かずみが、 彼女のアルバムA面のほとんどを担当した 中村邦彦とともに書いた 「悪い風」は ブラジル産以外のボサノバとしては、 最も美しい曲である」 そのような解説に包まれた その曲は、 このアルバムのトリを飾っています。 山本リンダ、辺見マリ…

Sings Rootin' Songs : Blossom Dearie  LP+7

久々に聞きました。 「清涼飲料の会社がボーナスとして配布した特典盤」として知られた EPとともに、 そのLPでは、 ブロッサム・ディアリーが軽快そのものに 歌います。 手元にあるのは2003年に、復刻盤として 発売されたものです。 もともとは、「ヴァーヴ…

「 Jean-Luc Godard: Bandes Originales 1959-1963」、「Le mepris/Pierrot le fou」 LP

マルシャル・ソラル、ミシェル・ルグラン、ジョルジュ・ドルリュー。 ゴダール60年代を支えた音楽家です。 最近発売の二枚のLP。 一つは「軽蔑」と「気狂いピエロ」、 アンナ・カリーナの声がオリジナルで響きます。 もう一枚は、「女と男のいる歩道」その他…

Nippon Girls : Japanese Pop, Beat & Bossa Nova 1967-1969 LP

Jpopのことは詳しくないのですが、 その解説によれば、 黛ジュン の1967年2月に発売された 「恋のハレルヤ」が、そのMegahitによって、 ガール=ポップのマニフェストになった、 と云います。 残念なことにその音源はここにはなく、 代わりに「天使の誘惑」の…

『THE PEANUTS The First Decade 1959~1967』

先ごろ発売になった、 ザ・ピーナッツ、デビュー盤を始め、 初期10年近くの録音を アナログ・マスターから起こしたLPです。 一,二曲はモノーラル、 三曲目からはステレオとなるため、 二曲目が終わると、ループされるために もう一度針を(できればステレオ…

LP「 殺しの烙印 オリジナル・サウンドトラック」<RECORD STORE DAY>山本直純

「自分より才能は上、まったくかなわない」 と小澤征爾が語っていました 作曲家・山本直純と、 鈴木清順による 「殺しの烙印」。 先ごろ、7インチ盤が発売されたばかりでしたが、 アウトテイクなどを含めてのLong Play盤、 その旋律は当時のノワールを緩急豊…

春の試聴会。

今回は、LP以外を多く持参して「試聴室」に 参りました。 シングルでビートルズのクリスマス、 10インチ盤でプレステージのモンク・トリオ、 同じく「超音響」と名乗るシャープフラッツなどのオムニバス、 45回転盤のジュリー・ロンドン、 左右スピーカーの…

Voyager Golden Record: 40th Anniversary Edition

「これは宇宙人への人類からの贈り物ですが、 同時に人類への贈り物でもあるのです」 と、ブックレットの中で制作者たちが表した、 黄色いレコード三枚、レコードシート、アルバムのセット。 当初はジョン・レノンにも依頼されたという、 かつてNASAが、ボイ…

STAR WARS: A NEW HOPE (SOUNDTRACK) [3LP BOX] (40TH ANNIVERSARY)

「私とルーカスは二人とも、 有名なロマン主義音楽家による 19世紀の、とてもロマンティックな種の音であるべきだと、 感じていました。 そしてその音は、 たとえ映画の他の音や映像が新しいものであった としても、そのような親しみやすい音楽で あるべきだ…

クリスマス・レコード・ボックス [Analog] Single, Limited Edition ザ・ビートルズ

「ブライアンの意図するものは最良の場合でも プロダクションを破綻させるようなものでしたし、 彼の純粋な善意は、そもそも損失を 用意しているようなものでした」 とビートルズ・ファンクラブ運者者だった フリーダ・ケリーが 語る、ビートルズのマネージ…

『ソフィア・コッポラの椿姫』 La traviata

「俳優(歌手)の方々には 映画と同じような接し方をしました」 とその演出を語るソフィア・コッポラの椿姫は、 あたかもヴィスコンティの 「夏の嵐」のラストシーンのように 始まり、 スペクタクルに堕ちない抑えた演出は、 父フランシスの数々の映画も参照…

Thelonious Monk The Complete Prestige 10-Inch LP Collection

「歴史的に重要なのは、 モンクがサイドマンとして初めて録音したこと、 およびプレステージの創始者であるボブ・ウェインストックがモンクを 初めて招聘した」こと、と、 その解説の一つに記される、 1952年から54年にかけて プレステージ・レコードと契約…

「のん、KAIWA フェス Vol.1 ~音楽があれば会話が出来る!~」

すずさんを思い出させる 銀杏BOYZ、サンボマスター、堀込泰行、 それぞれとの会話、 KAIWA RADIOを間に挟みながら、 のん・シガレッツの未発表曲複数 含めて個々のライブ、 堀込泰行とのデュエットには その天性の音感が宿り また恵比寿に響くそれぞれの音に…

朴葵姫 トーク&ライブギターと カメラと スペインと

その曲を作った作曲家が見たものを追いたかった、 と言う朴葵姫(さん)の この上もないような素晴らしい 「アルハンブラの思い出」の演奏から 始まりましたトーク&ライブ。 ローライ・フレックスやiphoneで撮影された 数十枚のスペインやヴェネチア、パリ、京…

加藤訓子BACHカテドラルツアー2017 「バッハを弾く。」

10/27夜、東京カテドラルで奏でられた マリンバ用の楽曲ではないバッハの平均律クラヴィーア、 無伴奏チェロ、リュートのための前奏曲と 無伴奏ヴァイオリン・ソナタ。 「マリンバに何が合うのか、どれだけ多彩な音色が引き出せるのか」 「トレモロを含んだ…