2018-07-09 つれづれぐさ 飛鳥川の淵瀬常ならぬ世にしあれば 時移り事去り 楽しび悲しび行きかひて はなやかなりしあたりも人住まぬ野らとなり 変らぬ住家は人あらたまりぬ 桃李ものと言はねば 誰とともにか昔を語らん まして、見ぬいにしへのやんごとなかりけん跡のみぞ いとはかなき 京極殿 法成寺など見るこそ 志留まり事変じにけるさまは あはれなれ 御堂殿の作りみがかせ給ひて、庄園おほく寄せられ 我が御族のみ 御門の御後見 世の固めにて 行末までとおぼしおきし時 いかならん世にも かばかりあせ果てんとはおぼしてんや